2007.6.18〜7.2

その4.スロヴェニアのブレッド湖と センメリング鉄道からウィーン


このマークのある写真は「写真ギャラリーfree」に1280X960の拡大写真があります。

 1.ドロミテ フネス谷
 2 ドロミテ ガルデナ谷
 3.ミズリナ湖とグロースグルックナの麓・カルス村


6月27日 (水) スロヴェニア ブレッド湖への移動


昨夜は雷を伴う嵐のような荒天で、朝起きてみると裏山が白くなっていた。
今日はスロヴェニアに移動の日、9:00のバスでリエンツに戻り、駅で「VILLACH→Lesce Bled」の切符を買った(2日前に買ったウィーンまでの通し切符でカバーできない区間)。
列車はスピッタールSpittalとフィラッハVillachで2度乗り換えるが、行き先は「ベオグラード」。なんか如何にも国際列車みたいでイイな〜。

Lesce(レスツェ)の駅からバス(1.80euro)でブレッドの中心へ行く。さてマルiはどこかと探すと、やたらマルiマークがある。どうもこの国は旅行社がマルiマークを掲げているらしい。予め目を付けておいた英語が通じるペンションに直接電話する。Will you please pick up us ?と言うと気軽におかみさんが自動車で迎えに来てくれた。14:00宿に着。
体も疲れて来た頃なので、今日の午後はそのまま休養とする。
晴天かと思うと30分後には雷雨とこの辺は天気が変わりやすい。
事実、TVの天気予報らしき番組を見ても全土に「太陽、雲、雨」の3点セットが表示されている。この国の天気予報官は楽だろうな〜?

カルス 9:07 -bus 5.9euro- 9:55 リエンツ
リエンツ 10:16 -train※- 11:47 フィラッハ 12:04 -train 10.8euro- 13:07 レスツェ
レスツェ 13:30 -bus 1.8euro- 13:45 ブレッド湖
※ リエンツからウィーンまで通し切符を購入:44euro

今日の宿: Stojanovic Janja*** 53euro/2人  BB
Finzgarjeva 23a, SI - 4260 BLED
Tel: +386 4 / 574 45 45
英語OK

スロヴェニアのスーパー:「MERCATOR」がメジャー。平日・土曜 6:30−20:00、日曜:6:30−12:00

6月28日 (木)  ブレッド湖と周辺の田舎町
ブレッド湖 Blejsko Jezero


宿から湖畔まで歩いて15分。湖を一周する遊歩道があり、多くの人が散歩している(地図の赤点線)。ただブラブラ歩いて人と、ストックを持って歯を食いしばって歩いている人の両方がいる。我々は当然、前者。
歩いていると、2大スポットである教会と城を見る角度が徐々に変わり、それに応じて色々な姿を見せる。
宿で聞いたら一周1時間半と言っていたが、歩き疲れて地図を見るとまだ半分も来ていない。結構大きい。
ベンチで休んでいると、何やら黒いものが水面を動いている。よく見ると大きな黒い犬がカモを追っかけている。それも同じカモばかりを追っかけている。

ブレッド城 聖マリア教会 鴨に恋した犬 ユーゴ時代のチトー大統領の別荘であったH.Villa Bled 山の登り口


それにしても想い描いてたものと何か違う。パンフレットにある、あの高みから俯瞰した景色が見たい。
ふと見ると、山の方を指している「OSOJNICA」と書いた道標が目に入る。ここを登ることにするが、幾ら登っても樹林帯で景色が見えない。40分ほど登って、まずかったかな?と不安になり掛けた頃、湖の全景が見渡せるベンチにたどり着いた(鉄はしごを登り切った大岩の上)。頂上はもっと上らしいが撮影ロケーションとしては申し分無い。下からは分からなかったが、太陽の当たり方で水の色が変わる。コバルトブルーの水に浮かぶ教会にうっとり。これで背景の山(オーストリー国境)が見えたら120点だが、そこまでは欲張りと言うもの。下りは18分。湖の周りで2回ほど日本人に会った。うれしくて、つい声を掛けるが、最近は中国、韓国人が多くうかつに声を掛けられない。男は髪型から まだ判別できるが、若い女性は全く分からない。


付近の農村

宿に戻ると15:00過ぎ。夕食にはちょっと早く、遠くに行くには時間が無い・・中途半端な時刻。
地図の南の方にある村へ散歩がてら行き、帰り道に夕食でも食べてくることにする(地図の黄色点線)。

ガソリンスタンドの角を斜めに入る。付近は住宅地で平均的サラリーマンの家らしいが、どれも大きな庭を持ち、必ずバーベキュー用の炉がある。
途中、5階建てくらいの大きな三角屋根の家が何軒もあるので、どんなお金持ちが住んでいるんだろうと覗くと、どうも集合住宅らしい。それでも周りを芝生に囲まれ、これまた共用のバーベキュー場とうらやましい環境。共同住宅の中を抜けて一本西の道路にでる。ここからは集落は無く、畑に囲まれた自動車道路を歩くが、結構交通量が多い割には歩道も無い(まわりは牧草地だから、いつでも避難できるが・・・)。でも、遠くに山、畑には稲?が干してある・・どこかで見たような風景。

平均的な家 集合住宅? どこかで見たような風景

30分ほどでRIBNO村に到着。入口の看板を見ると、ペンションも何軒かあるらしい。小さな可愛らしい村だが、レストランもスーパーもちゃんとある。

時間は17:30。太陽はまだ高いものの、日差しはその力を弱め、全ての動きがとまる。
何か我々もゆったりした気持で「ビールでも飲もう」と久しぶりに意見が合い、スーパーで缶ビールとチーズを少しだけ切ってもらい、教会の前のベンチに座る。
教会には花を持ったおばあちゃんが墓参りに来ている−おじいちゃんはどんな人だったんだろう?愛していたんだね。
子供達が小さなビニ袋を持って分別ゴミ入れに捨てに来ている・・・きっとお母さんに「自分の食べたお菓子くらい捨てていらっしゃい!」って怒られて来たんだよ。
などと、勝手に決めて人間観察をするのも悪くない。

RIBNO村入口 教会 何回もお世話になったUnion

帰り道は、直接湖畔の繁華街に行けるDINDOLへの道を歩く。こちらは自動車は殆ど通らず、また農村風景もすばらしい道。歩くならこちらのコースを奨める(市街地方向からの入口はBestWesternの左側の道)。DINDOLはBLEDの一角と言って良いほどであるが、周りにはまだ緑が残る。湖畔のショッピングセンターに行ってみると中庭で地元高校生のコーラスをやっていた。中々の出来。
レストランで夕食を食べて宿までぶらぶら歩いて帰る。
宿の30mほど手前の家の庭にプラムの木があり「どうぞ、ご自由にお取り下さい」とばかりに枝が道側にしなっている。
辺りを見回した後、数個頂き口に放り込む。少々未熟な方が甘酸っぱくておいしい。

牧草地も花盛り 古い様式の家(DINDOL) 地元少女のサービス 大きな声で言えないデザート


6月29日 (金) センメリングへ
センメリング鉄道 Semmering Bahn

ブレッドから一山越えてフィラッハVillachまで戻る。ここからウィーン行きのIC(InterCity-特急列車)でミュルッツツーシュラッグMurzzuschlagまで約3時間。
隣に座ったのは老夫婦。奥さんが疲れて足を前に座っている旦那さんの膝の上に載せている。旦那がその足の裏をくすぐるので、奥さんは身をくねらせている。変わった夫婦だ。ミュルッツツーシュラッグで各駅停車に乗換える。ここからセンメリング鉄道の区間に入る。

ブレッド湖 8:20 -bus 1.8euro- 8:35 レスツェ 8:57 -train 10.8euro- 10:00 フィラッハ
フィラッハ 10:20 -train- 13:29ミュルツツーシュラッグ 14:03 -train- 14:20 ヴォルフスベルクケーゲル 17:25 -train- 17:54 パイヤーバッハ

センメリング鉄道 SEMMERING
1854年に初めてアルプスを越えた山岳鉄道。16のトンネルと16の高架橋があるこの鉄道は当時の鉄道の技術の粋を集め、鉄道建設が盛んになる一つのきっかけともなったといわれる貴重な鉄道。既に開通から150年が経過しているが現在も国際特急を含む列車が通る現役のバリバリ。1998年に世界遺産(文化遺産)に登録された。山の下を貫通するトンネル工事が始まったが、現在中断中で、少なくとも後20年はダメだろうとのこと。

目指すはヴォルフスベルクケーゲルWolfsbergkogel駅 14:20着。
この駅の近くにセンメリング鉄道を見下ろす展望台があると聞いている。散歩中の女性に聞くと、知っているらしく「ついておいで」と案内してくれる親切さ。
駅から見ても目立つ大きなホテルのような建物(実はサナトリウム)の敷地内を通って奥の駐車場(草っ原)を抜けて山道へ(AUSSICHTSWARTE=展望台と書いた道標あり)。10分くらいで山頂部に着き、ここに木のやぐら(仮に第2展望台)が立っている。ここからは主に北側が見える。
サナトリウムの北側に山へ入る道がある。これを登って行くと第1展望台。ここからは主に南西方向が良く見える。

第1展望台
立っているのはドイツから来た鉄道マニアで日本の新幹線のゲージ幅までそらんじていた
第2展望台
Semmering駅の記念碑 素晴らしいタイミングながら、逆光の望遠と言う最悪の条件(共に第1展望台より)。出来れば午前中が順光になって良い。

降りたWolfsbergkoge駅に戻り、17:25分の電車でパイヤーバッハ・ライヘナウと言う駅で下車。Payerbachに宿泊。

今日の宿: Hotel Payerbachhof***
A-2850 Payerbach
Hauptstrase 2
Tel. 0043/2666/524 30
Fax 0043/2666/524 30-4
E-Mail: hotel@payerbacherhof.at
74euro/2人
後方の庭が大きく、庭で頂く夕食が楽しい
こぼれ話:
ミュルツツーシュラッグの駅で、電車が何番線なのかが分からず、誰かに聞こうとしたが、ホームにいるのはタバコを咥えたチンピラ(13,4才?)のみ。
でも、しかたなく聞くと、ラジオの音楽に調子を取っていた連れの少年に「とめろ」と言ってから、比較的きれいな英語でキチッと教えてくれた。
人は見かけによらないのか、反抗期にあるものの家庭でよくしつけてあるのか感動した。


6月30日 (土) ウィーンへ
パイヤーバッハ Payerbach

午前中、パイアーバッハの町を散策する。正に町の真ん中をセンメリング鉄道が横断する鉄道の町。

市内を横断する鉄橋 左の鉄橋から山の方へ行った丘の上から 町の北側を走る狭軌鉄道 センメリングで会ったマニアはMuseum Trainだと言っていたが・・・どう言う意味かな? おばあちゃんの90歳を祝って家族が町中を練り歩く。
さすがは鉄道の町。

ここからノイシュタット経由でウィーンまでは1時間の距離。

パイヤーバッハ 11:54 -train- 13:02 ウィーン南駅 -U bahn 1.7euro- Gasometer

ウィーン Wien
ウィーンの宿 ROOMZ Vienna **
paragonstrasse 1,1110 vienna
tel: +43 1 7431 777
66euro/2人 BB
最寄駅:
U3のGASOMETER駅
徒歩3分
ガソメータGASOMETER
その名のとおり昔ガスタンクだった円筒状のレンガの建物が4つ並んで建っている。中はショッピングモールになっている。但し、A棟以外は店が少なく閑散としている。A棟にはスーパーSPARが入っているのでホテルから買い物に行くのに便利
開店したばかり(HPによると7月6日OPENと書いてあったから開店前?)なので全てが新品で綺麗。朝のビュッフェも品数豊富。内部はモダンな近代デザインで、なんか落ち着かない(ビジネスホテル型)。英語OK。


7月1日 (日) ウィーン市内

切符:
まずは乗車駅のGASOMETERで「24時間切符=5.7euro」を購入。買ったら入鋏器で時刻を打刻すること。打刻しないで検札に会うとアウト。
検札:長距離列車は駅を出発すると直ぐに検札が来る(必ず来る)。ウィーン市内の交通は検札はまず来ない、バスだって後ろの扉から乗って、そのまま後の扉から下車しても構わない。但し、お互いの信頼関係でこの秩序が保たれているので、見つかると相当な罰金を取られるらしい。一度だけU4のUnter St.Veit駅の出口で検札をやっていたのを見た(我々は中年の観光客のためか切符を見せろとは言われなかったが・・・)。

それはそれとして、ウィーンは初めてなので、ミーハーと言われようと絶対外せない下記3箇所を回る。

市民公園内ヨハンシュトラウスの銅像 シュテファン寺院 シェーンブルン宮殿

次に、あまり観光客が行かないと言われる下記2箇所を回る。

シュタインホーフ教会  Die Kirche am Steinhof
ウィーン在住のRICAさんのブログで見つけたシュタインホーフ教会。
1907年に作られたユーゲントシュティールの先鋒オットーワグナーの傑作。

シェーンブルン宮殿を見終わって、地下鉄U4の3っつ先の駅、Unter St.Velt駅で降りて、47Aバスに乗り換えてPsychiatr Krankenhausで下車。
この教会は精神病院の敷地の一角にある。門で何か手続きをするのかな?と思って、守衛さんの顔を見ながら恐る々々門を入るが、何も言われずそのまま入れた。坂+階段を延々と上ってゆくと丘の頂上付近に教会がある。

丘の上に金色の屋根のモダンな建築。背後は森で散歩道になっている。教会の扉は閉まっており、何やら紙が貼ってあるが読めず。でも、人気は無く、ベンチに座って風の音と、小鳥のさえずりを聞いていると先ほどのシェーンブルンの喧騒は嘘のような桃源郷。内部はもっと素晴らしいらしいが、外だけでも来て良かった。

帰国後、調べてみたが
毎土曜の15:00からガイド付きの見学(4euro)
毎土曜の16:00−17:00 ガイドなしの見学(2euro)
と書いてある(と思われる)。Ricaさんも行ったのは土曜だったのかな〜?

帰りも同じバスに乗るが、U4のOber St.velt駅に先に着くのでここで乗り換える。またこの駅のそばにマック*とガソリンスタンド併設のスーパーがある。日曜でも開いているので便利。
なお、歩き慣れた人ならバスを使わなくても歩いて30分くらいと思われる。

*日本の100円マックと同様、1euroマックがあるが、メニューは多少違う(アイスコーヒーは無い)。

 

ホイリゲ村 スタンマースドルフ Heurige im Stammersdorf

新酒(ホイリゲ)の時期、ワイン農家は年間300日を限度として直接客に酒を飲ませても良い・・・と言う法律がオーストリーにあるそうだ。
ウィーン市内にもフドウ畑があり、ホイリゲ村としてグリンツィングが有名。しかし観光客ばかりで地元の人はあまり行かないとのこと。
へそ曲がりの私としては地元の人が行く素朴なホイリゲ村を・・・と調べた。これもRICAさんのブログからスタンマースドルフを知り、訪れた。

スタンマースドルフはS3またはS4のBrunner Str駅から路面電車の31番に乗ると15分で着く。他にS1,2,8でもFloridsdorf駅で31番に乗り継げる。
スタンマースドルフには約30軒のホイリゲ酒場があるが、営業日数の制限があるせいか全てが開店しているわけではない。
外から品定めをしながら良さそうな酒場を探そう。

我々は地元の人が次から次へと入って行く「SAMMER」に入ってみる。小さな入口を入ると中庭で、大きな木の下に木製のテーブルとベンチが置いてある。
酒はおばさんが注文を取りに来る。1/2リットルのデカンタを頼む。つまみは自分で実物を見ながら これ・・ と頼み、その場で支払う。
我々はワインを飲みつけないので味が分からないが、新酒特有なフルーティーさと冷たく冷やされているので喉ごしが良く、とても美味しい。
おつまみも「なます」状のもので、その酸味が甘口の新酒に合う。
今日はこれが夕飯がわりとなるので、最後にアップルパイを食べた。これも家庭の味と言うか適度に酸味が利いておいしかった。
どちらからとも無く「もう1本飲みたいねぇ」と言い出したが、これからまた遠くまで帰ることを考えて自重した。帰りの路面電車では、2人ともぐっすり。
途中の乗換駅を寝過ごし、終点のSchotten-ringまで行ってしまった(40分)。Schotten-ringはU2とU4の駅でもあるので、急がなければこの乗換えもあり。

オーストリー観光局のホイリゲのページ
スタンマースドルフのホイリゲ地図(kalenderで開店日が分かる)

★なお、イタリアのトリエステ周辺からスロベニアの沿岸カルスト地方にもホイリゲと同じようなものがある。
OsmizzaまたはOsmicaで検索すると多数出てくる。

Sammerの入口 「新酒あり」の印、松の枝(日本と似ている) 内部 おつまみの品定め

ウィーン市内24時間切符: 5.7euro (ウィーン市内の地下鉄、バス、路面電車、Sバーン乗り放題)

7月2日 (月) 帰国

14:20のオーストリー航空で成田へ。市内から空港は2ゾーンになるので切符を買うときは要注意。

U4ガソメータ駅 -train 3.4euro- ウィーン空港駅

 1.ドロミテ フネス谷
 2 ドロミテ ガルデナ谷
 3.ミズリナ湖とグロースグルックナの麓・カルス村