中年夫婦のぶらぶらある記

深川 佃島   2003年8月10日

江戸六地蔵の6番目・永代寺は、今は存在しない。
永代寺跡の石碑が深川公園内にあるとのことなので写真を撮りに行った。

     


永代寺跡
地下鉄東西線・門前仲町で下車。
地図を見ると「深川公園」は3箇所に分散しており、どこにあるのか分からない。
とりあえず不動尊の西にある公園に行ってみる。さして苦労もせず、テニスコートとの間の緑地に石碑を一発で発見。

お不動さんをお参りした後、永代通りに出ると、目の前に門前茶寮と言う店。「テレビ、新聞で絶賛・・あさりセイロご飯」との看板があったので、入る。
あさりを葱と一緒に炊き込んだもので、多少甘めではあるが、あさりの出汁が良く出ていておいしい。昼(11:00〜13:30)は¥880とリーズナブル。但し、食べ終わったばかりなのに店員から「もう直ぐ閉店しますので、早めに会計をお願いします」と言われ、気分が悪い(汗が引くまでくらいは、ゆっくりさせてよ)。

ぼたん公園
暑いが、せっかくなので佃島の方まで行ってみるかと、清澄通りを南に歩く(実際は、一本東の裏道をジグザグに歩く)。
小さな橋を渡ると町名は「中央区牡丹」と言う素晴らしい地名。
小さなせせらぎに沿って遊歩道がある。川の両側に地名どおり牡丹が沢山植わっている。説明を読むと、江戸時代よりこの辺りでは牡丹を育てる家が多かったとある。町並みは昔ながらの下町で、家が建て混む。どこの家も軒先に植木鉢を並べて多少ゴチャゴチャ感があるものの、ゴミとか不要なものを家の前に積んでおくことは一切なく、道路も綺麗に掃除してある。下町っ子の心意気を感じる。

天文観測所

明治丸
東京商船大学
かなり歴史のありそうなレンガ作りの建物で、キャンパス内は緑も多く静か。但し、「関係者以外立入禁止」。門から遠慮がちに写真を撮っていたら、警務のおじさんが「どうぞお入り下さい」。

構内には、明治時代に作られたと言う歴史的な天文台など、見所も多い(航海と天文は切っても切れない関係がある)。夏休み中という事もあってか、構内は静かで、落着きがあり、それでいて何かキリッとさせるものがある(最近の総合大学のキャンパスは一年中お祭としか思えないハチャメチャ状態)。構内に帆船「明治丸」が安置されている。マストとロープの向こうは青空・・・と言いたいがバックには近代的なウォーターフロントのビルが聳え違和感を覚える。
警務のおじさんにお礼を言って、通りに戻り相生橋を渡る。今日は台風一過の超快晴。暑いが空気が澄んでいて気分は爽やか。そう言えば今日は東京湾花火大会。風も適当にあり花火日和(夜和?)だろう。

神田川の流れ出し
佃島は元は隅田川河口の小さな中州であったが、埋め立てで大きくなり、最近はリバーシティーと名付けられた高級マンション地帯。外国系列のスーパーも入り下町情緒は無い。
隅田川沿いの公園のベンチで一休み。目の前を水上バスが行き交う。家内は水上バスに手を振っている。そう言えば、昔の人は皆そうだった。最近は見知らぬ人との触れ合いが無くなった。
目の前には我が家の近くを流れる石神井川-神田川が東京湾に流れ込む水門がある(何か旅先で故郷の人に会ったみたい)。
佃橋まで行くと、昔の漁村の趣きを残し、今でも佃煮屋が数軒ある。大安でお茶漬け用にと「あみ」「あさり」「はぜ」の佃煮を買う。アミの佃煮と言えば、母が作る弁当の定番だった。当時はそれがイヤだったが、今になってみると懐かしい。

佃大橋を渡りきったところに、葉書が落ちている。見ると今日の花火大会の入場券。落とした人は困っているだろうと、葉書にある番地を頼りに家を探し出した。その家はマンションで、入口で室番号をキーインしてインタフォンで話すタイプ。呼び出しても無応答。家族全員で既に出かけた後か・・?
マンションの住人らしき人が入ってきたので xxx号室の方をご存知ですか?と聞いても、うろんは目つきで我々を見る。
本来、この辺はまだ下町情緒が残るところの筈が、銀座へ徒歩15分と言う立地条件のせいか、外部の金持ちが住み始め、人情は無くなった。
何か親切を裏切られた気持ちで東京駅まで歩く(30分)。

途中、京橋には「東京国立近代美術館フィルムセンター」がある。
8月は市川崑監督特集で、この日は長谷川一夫の「雪之丞変化」が上演されていた。

東京国立近代美術館フィルムセンター
〒104-0031東京都中央区京橋3-7-6
電話: 03-3561-0823(代表)
FAX: 03-3561-0830
E-mail: webstaff@momat.go.jp
映画観覧¥500、展示室¥200
月曜休館