日曜大工(1)  浴室ドアの交換

浴室の折戸の滑車が壊れドアがぶらぶら状態。メーカーも20年前のもので修理不能。
業者にドア交換の見積を頼んだが、新型のバス・ユニットに浴室ごとリニューアルしろと、嫌がる。
調べてみると、気合を入れれば素人でもできそうなので、これも経験・・・と、この際、ドア丸ごと交換にチャレンジした。

完成!!
以下を読んでみると、簡単そうだが、実際は多くの予想外の事態に直面し、その度に「あ〜やらなきゃ良かった・・」と後悔する。でも、アイデアを出して一歩々々障害を乗り越えて、完成した時の喜びこそ、日曜大工の醍醐味。

失敗して、グチャグチャ状態になったとしても、その時は丸ごとリニューアルを業者に頼めば良い・・と割り切ってから始めよう。

状況は家によって千差万別。この方法で全てがうまく行くとは限らないので、結果には責任を持ちません。
私のアイデアで参考にして貰いたいものは

@タイルの接着は、速乾モルタル(3分)を使うとうまく行く。
A縁の丸まったタイルは水道管の保温材で代用する。
B目地はシリコンコーキング材の方が楽で、修正も効く。

の3点。


費用(新たに購入したもの) 持ち合わせていた工具類で一般家庭には
無さそうなもの(DIY屋で売っている)
扉ユニット \25,000 たがね \300くらい
速乾接着セメント \800 コーキング注射器 \400くらい
タイル:10枚 \600 コーキングならしへら \200くらい
シリコンコーキング材 \380 ガラス切りまたはタイルカッター \1,000くらい
水道保温材 \380
合計 \27,160
速乾接着セメント シリコン関係 保温材 たがね ガラス切り



ドアは日曜大工店に注文する(TOSTEM製 定価\29,800の2割引+消費税で\25,032)
扉の枠の外側寸法が現在のものと同じか、小さ目のものを選択。1週間で到着。

届いたものを後で開いてみたら、ガラスにひびが入っていた。電話を掛けて取り替えてもらったが、うちで割ったと思われるのも心外なので、届いたら、その場でガラスにひびが入っていないか?サッシが曲がっていないか?などをチェックしてから受取印を押すべきだった。

1.ドアの取り外し
1-1.タイルとモルタルをはがす
 タイルは工事方法により固定方法が多少違うようだが、うちの場合は右図のようだった。下板(ファイバー板だったりもする)の上にモルタルでタイルと貼り付けてある(10mmくらい浮いている)。

以前、タオル掛けを取り付ける為に、タイルにドリルで穴を開けたことがあった。その時にドリルがタイルを通り抜けた途端にズボっと奥まで入ってしまい(中はガランドウ)困った。
剥がしてはじめて分かったが、目地付近に穴を開けるとこうなる。タイルの中心部に穴を開ければモルタルがあるので、しっかりした穴が開く。
@マイナスドライバ+ハンマーで目地を取る★
 これを手抜きすると、タイルを剥がす時に、隣のタイルまで割れてしまう。完全に取れなくても、深いキズが付けば、その場所から割れる。
Aタイルを剥がす
 タガネとハンマーでコツコツを割って行く。
  最初の1枚はタイルの中心部を割ってはがさざるを得ない。1枚剥がすと隣のタイルは横から叩けるので、剥がし易い。

右図のブルーの箇所のように、どこか2面はタイルを全部はがさないといけないが、残りの1面は、今外した側の釘の打ってある場所の反対側に目星を付けて、そこだけ外す。緑の矢印のように横に抜くように引っ張ると枠を外せる。
1-2.ドアを外す
 全ての釘、ネジを抜く。★
 固定箇所は前面からの釘10箇所と枠と柱を固定する木ネジ10箇所。
 タイルを残した面は横に引っ張るようにすれば抜ける。

予想外の事:
古い枠を外してみたら、床側の木が腐っていた。
この部分は釘、ねじが無い場所なのと、木を交換するのは柱からいじらなくてはならず、大変な事になりそう。見なかったことにする。


2.新しい扉を取り付ける
2-1.取り付ける柱などの補正:(これが一番やっかい)
新しいドアをあてがってみる。
古い家は、大なり小なり歪んでいて(図1)、そのままでは素直に入らない。
補正は
@周りの木を削る(部分的ならヤスリ、ナイフ、最悪カンナで)
Aあとちょっと・・と言う程度なら、アルミ枠側をヤスリで削ることも可。
 右の写真がサッシの断面。サッシの@部と柱側のAを削ると小さくなる(強度は落ちる)。
B小さ目のものを買った場合は、薄い板などを柱側に足して補正する。
 本来Bが一番安全方向だが、規格があるらしく、どのメーカーも同じ寸法で、ちょっぴり小さめと言うものは無い)。
とりあえず枠が入ったら、釘で固定する前に扉を取り付けてスムーズに開閉するか、開閉時に変な音がしないか?
などを調べる。
スムーズに扉が開閉しない場合は、枠の直角度が出ていない(枠が平行四辺形)。
異常な場合、枠の片側を上下に押してみて、スムーズになる場所を探す。

2-2.固定する
固定部分(釘止め、ネジ止め)が柱に対して浮いている場合は、
その部分だけに小さな板を挟んで、浮きを無くす(浮いたまま釘を打ったり、ネジを締めるとサッシが曲がる)
釘やネジ類は全部固定しなくても良い。コーナーを重点的に固定すれば中間は無くても可。


3.タイルを戻す
3-1.割らずにうまく剥がれたタイルは再使用できるので、もとの場所へつける。
中途半端なサイズのタイルは、タイルカッターまたはガラス切りで釉薬面にキズを付けて、玄関のステップの角などを利用して割る。
または、ペンチなどで少しづつ破片を取り除いて行く。
なお、タイルには2種類の規格がある。
現在は100mm角で、DIY屋にはこれしか無い。うちのように古い時代のものは110mm角で
タイル店が棚の隅から売れ残っていたものを探し出してくれた(色も多少違う)。
まして縁用のタイルなんてとっくに無い。
仕方なく、似ているものは無いかとDIY屋を隅から隅まで探したら、水道管の保温材が
ぴったり。これを4等分してシリコンコーキングで接着(片目をつぶればタイルと大差は無い)。
保温材:マットレス材のように水を吸う素材は駄目。
水を吸わない素材を選ぶ(NP-20と書いてあったが、ネオプレン?=かまきりの巣のように表面に
光沢のあるブツブツ状)。
3-2.目地を塗る(本来、石膏系の材料を売っているが、私は白色のシリコン・コーキング材を使用)。
その他の隙間や合せ目(特に水の掛かる浴室側)にもコーキングを詰める。