秋の吉備路 2004年10月29−31日
中国地方の山間部に歴史ある町が多そうで前から気になっていた。
昨年の大河ドラマ「宮本武蔵」ゆかりの地や、美作三湯などの名前につられ、秋の吉備路を訪れた。
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![]() トヨタ イスト1300 走行距離:459km ガソリン:25.8L 燃費:17.8km/L |
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10月29日(金) 190km |
朝7:50のJALで出発。早朝便なのに ほぼ満席。いつものオリックスに空港店はない。ジャパレンの100AGE割り引きを利用。 9:15 ナビに命令されるままにスタートしたが、なぜか、車はいきなり裏山を上り始めた。 岡山県は来年国体開催で、新しい道や施設を山の中に建設中で、地図と合わないところが多く、本当に道が合っているのか不安を抱きながらドライブ。 途中、何度か車を止めて場所を確認しながら行ったので、予定より多めの1時間半ほど掛かって高梁市に着いた。 |
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高梁市 盆地の中央部を、高梁川が流れる、備中の小京都と呼ばれる町。 高梁川の川岸にぶつかったら、右方向に行くと観光駐車場(\210/時間)がある。 駐車場から小さな川沿いに旧家や木造キリスト教会などの歴史的建造物が並ぶ。 他に、臥牛山の上には日本一高い所に現存する備中松山城がある。他に庭園で有名な頼久寺などが見所。 国道313号線を西に成羽町まで行き、そこから山道を登る。前回の台風で何ヶ所か通行止め。 迂回路ながら、高梁から約1時間で吹屋の里に着く。
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![]() ![]() 広兼邸 ![]() |
吹屋 江戸時代から明治まで銅の採掘と「べんがら」の生産で栄えた山里。 広兼邸 広兼家は江戸末期に銅山経営とベンガラで財をなした土地の大庄屋。 何も無い山里に突然聳えるように山肌に建つ姿は何か、おどろおどろしくさえある。 そのせいか遠くは「獄門島」、最近では「八つ墓村」のロケに使われた。 吹矢ふるさと村 全国からベンガラの買い付けに人が集まり、栄えたとのことで、山の中なのに異質な感じさえする豪華な町並み。 家々は一様にベンガラ塗り(赤い塗料)で、うち1軒は郷土館となっている。 吹屋小学校 国内最古とされる木造校舎の小学校。 訪れた時は既に授業が終わり生徒の姿はなかったが、先生達の姿がちらほら。中には目の青い若い女性もおり、教育の内容は進んでいるよう。
吹屋街道を北へ30分ほどで新見市。ここから中国高速道路で院庄まで・・・ 16:30と中途半端な時間であったが、津山市内に行ってみる。 |
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![]() 市の中心の鶴山頂上に森蘭丸の弟忠政が築城した津山城跡がある。 城自身は残っていないが、石垣は見事で市内のどこからも見上げられる。 市役所の北にある、衆楽園は回遊式庭園で、まあまあ。 |
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見終わると、既に薄暗くなり始めたので、残りは明日にして今晩の宿泊地:奥津温泉へ・・・・
昭和30年代に映画化された「秋津温泉」は、ここがモデルで、また、多くの文人が愛した由緒ある温泉である。 直前の予約だった為、殆ど満室であったが、唯一「東和楼」が空いていたので予約しておいた。 棟方志功が泊まったという、奥津荘、近代的な設備に改築した河鹿荘と東和楼の3軒が昔からある温泉で、いずれも地中から湧く湯が直接湯船の底から沸いてくる掛け流し。 東和楼は建物が多少老朽化していることと、料理がお値段相応の料理であることに目をつぶれば、昨今「正真正銘掛け流し」は貴重。 立派な道の駅もあり、翌朝寄ってみたら、農家が作ったという「とち餅」を数量限定で売っていた。 |
10月30日(土) 182km |
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![]() 奥津温泉から立派な林道で山を越えると、かつての秘境「越畑」に30分で着く。 藁葺きの農家に水車の山村とのふれこみであったが、立派な観光案内所を建て、その周りに古い農家などを移築したもの。 おっとりした農村風景でそれなりに良い場所だが、人の手が入りすぎて、ちょっと期待はずれ。 県道6号線を南下すると30分ほどで津山市街。 |
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津山市: 町の東側は城東地区と呼ばれ、旧出雲街道沿いに古い建物が残っている。 城東むかし町家、箕作阮甫旧宅 などは保存状態も良く公開されている(無料)。その他、煉瓦塀に入母屋作りと言うミスマッチの妙 津山洋学資料館などが見所。
国道を東へ1kmほど行くと東津山駅入口。ここを左に曲がって、100m先の旧出雲街道を右折。 約200m先の右側に何の変哲も無い「イナバ化粧品店」がある。ここはB'sの稲葉浩志の実家。 |
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![]() 駅 |
出雲街道を 美作−作東−大原と進むと「武蔵の里」。 武蔵の里: 最寄駅は智東急行線のその名も「宮本武蔵」駅。 この地は武蔵や又八、お通の生まれ育った地で、武蔵の生家、姉の嫁ぎ先の平尾家、墓(伊織が熊本から分骨し、無二斎の隣に墓を作った)などがある。 それ以外は、これと言ったものは無いが、地方交付金を目いっぱい使った武道館、クアガーデン、資料館、宿泊施設「五輪坊」などが密集し圧倒される。
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佐用町から上郡町を経て国道2号線に合流。2号線と言えば日本で2番目の幹線道路であるのに車はまばら。岡山ブルーラインを経て牛窓へ。 ブルーライン沿いの「道の駅」には海産物が並べられ、海に近づいたことを実感させる。 牛窓からフェリーですぐ目の前の前島に渡る。 フェリーは30分おきに出ていて、5分で着く(4m以下=往復\1080。運転手以外は別に往復\240が必要)。 |
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![]() 瀬戸は夕焼け♪♪ カラオケの俺の十八番(もっともこれしか知らない) |
目の前に小豆島を臨む絶好のロケーションに加え、ちょっとした旅館より立派で清潔。大きな湯船の風呂が3個もある。 何と言ってもお目当ては、新鮮な魚料理。スタンダードコースに鯛の姿作りと車えび(当日はえびが上がらず、渡り蟹)を加えて、一泊一人1万円!! 値段の割に料理が良い漁師の民宿は全国にあるが、部屋が狭くて汚く、隣室の音は筒抜け、おまけに風呂が小さい=ぬるい・・と、ちょっと躊躇することが多いが、ここは両者の良いとこ取りの素晴らしさ。コリコリした歯ごたえの鯛の刺身、ネタが新鮮なので煮物や揚げ物も全てが美味しい。 ![]() |
10月31日(日) 87km |
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翌朝、牛窓を散歩 牛窓: 古くは朝鮮通信使がここ牛窓の港を拠点として往来した。唐琴どおりには中国銀行の旧支店や当時の灯台など見所がある。東町には造船所が幾つか残っている。 柄本明、松坂慶子、唐十郎などのキャストで「カンゾー先生」と言う映画があったそうで、ここ牛窓で、ロケが行われた。いまも造船所の中に当時のセットが残っている。
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![]() アイヴィースクエア ![]() 大原美術館 |
倉敷: 仕事では良く来る町であるが、美観地区には行ったことが無い。家内のリクエストもあって訪問。 折から日曜日のせいもあって表通りは言うに及ばず、裏通りや横丁まで人の渦。 でも、さすがに規模と保存状態は極めて良い。今回の旅行で何ヶ所か昔の町並みを訪れたが、せいぜい通りに何軒か残っている程度。 ここは数百メートルに渡り蔵作りの家並みが続く。 アーケードの駅前商店街も良く見ると蔵作りの家が多く、これも混ぜれば1kmはある。 これ以外に蔦の絡まる倉敷紡績の煉瓦造りの工場跡がアイビースクエアとなっている。 アイビースクエアにはホテルもあり、比較的安価。仕事で来るたびに、ここを宿にしている仲間もいる。
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14:30 空港へ出発。45分ほどで到着。いつものことながら、レンタカー屋に到着するや否や「さあ、送迎バスでお送りします」とせかされる。 ゆっくりと荷物を整理するヒマも無く、忘れものもシバシバ。帰りの飛行機もほぼ満席。 |